咳の症状
痛みやお身体の不調、違和感をかかえたまま、日常生活を送っていらっしゃいませんか?
咳を治すために、いろいろ試していらっしゃいませんか?
咳を緩和するお手伝いとして、当院は鍼灸治療を行っています。
当院では、症状をお聞きして「脈診」を行い、「鍼灸」の施術をします。 これまでの経験と脈診から得られた状態をもとに、患者様のお身体のためと、咳の症状の緩和を目指します。
当院の咳の鍼灸治療にご興味があれば、是非お読みください。
咳とは
咳は、多くの人が経験するありふれた症状です。その裏には、様々な原因が隠れています。「ただの風邪」だと思っていても、実は注意が必要な病気のサインかもしれません。
咳(せき)は、空気の通り道である気道に侵入した異物(ウイルス、細菌、ほこり、煙、カビ、誤って気道に入ってしまった食べ物)を追い出すために起こる体の防衛反応です。気道へのさまざまな刺激で起こる他、痰を外に出すために咳が出ます。
咳は、非常に複雑な反射運動によって引き起こされます。気道の粘膜には、「咳受容体」というセンサーが分布しています。このセンサーが異物や炎症により刺激を感知すると、その情報が迷走神経を通って脳(延髄)にある咳中枢へと伝わります。情報を受けた咳中枢は、呼吸に関わる筋肉に指令を出します。
・息を大きく吸い込む⇒声門(声帯の部分)を閉じる⇒胸やお腹の筋肉を強く収縮させる⇒閉じていた声門を一気に開く
この一連の動作により、肺から爆発的な速さの空気が押し出されます、これが「咳」です。この高速の空気の流れが、気道内の異物や痰を効率的に排出します。
咳の原因とは
風邪などの一時的な感染症が治れば、通常は咳も自然に収まります。しかし、咳が長引く場合は、咳を引き起こす原因が体内に残っていることを示唆します。咳受容体が過敏な状態になっていたり、気道の炎症が続いていたりすることがあります。アレルギー反応や気管支喘息のような慢性的な病気、あるいは胃酸の逆流といった呼吸器以外の問題が、咳中枢を持続的に刺激し、咳が長引く原因になることも少なくないそうです。
●急性咳嗽(3週間未満)
咳が出始めてから3週間未満で収まるものを「急性咳嗽」と呼びます。最も一般的な咳であり、その大半はウイルスや細菌による感染症が原因です。
風邪(感冒」)やインフルエンザ、急性気管支炎などがこれにあたります。多くの場合、原因となった感染症が治癒に向かうにつれて、咳の症状も軽減していきます。ただし、急性であっても肺炎、肺結核、肺血栓塞栓症、肺癌など重い病気が原因の場合もあります。注意し早めに医療機関を受診しましょう。
●遷延性咳嗽(せんえんせいがいそう:3週から8週間続く咳嗽)
3週間を過ぎても咳が続く場合を「遷延性咳嗽」といいます。この段階になると、単なる風邪の後の咳というだけでなく、他の原因も考える必要があります。「感染後咳嗽」風邪などの感染自体は治ったものの、気道の粘膜が傷ついて過敏な状態が続き、咳だけが残ってしまう状態です。咳喘息や副鼻腔炎(蓄膿症)などが原因で咳が始まっている可能性があります。
●慢性咳嗽(8週間以上続く咳嗽)
咳が8週間以上にわたって続く状態を「慢性咳嗽」といいます。このように長引く場合、単なる感染症やその後の影響とは考えにくく、背景に何らかの慢性的な病気が隠れている可能性があります。咳喘息、アトピー咳嗽、副鼻腔気管支症候群、胃食道逆流症などが原因として考えられます。
・「コンコン」という乾いた咳(乾性咳嗽)
痰を伴わない、または少量の痰しか出ない乾いた咳を「乾性咳嗽」いわゆる空咳(からぜき)です。気道の炎症や刺激によって起こることが多く、気道が過敏になっているサインでもあります。風邪の引き始め、喉頭のアレルギー反応、咳喘息、アトピー咳嗽、胃食道逆流症、間質性肺炎、気管支結核、一部の薬の副作用などで見られます。「コンコン」といった軽い音のことが多いです。
・「ゴボゴボ」と痰が絡む湿った咳(湿性咳嗽)
痰が絡み、それを排出しようとする咳を「湿性咳嗽」と呼びます。気道で過剰に作られた分泌物(痰)を外に出すための咳です。慢性副鼻腔炎(蓄膿症)、慢性気管支炎、気管支拡張症、気管支喘息、肺癌などが主な原因疾患です。
・咳の出やすい状況
夜間から早朝にかけて咳が悪化するのは、咳喘息や気管支喘息の典型的な症状の一つです。横になると胃酸が逆流しやすくなるため、胃食道逆流症による咳は就寝時に出やすくなります。鼻水が喉に落ちる「後鼻漏」が原因の場合も横なることで症状が強まる傾向があります。
熱がないのに咳が続く場合、多くは痰を伴います。感染症、咳喘息、や気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)肺炎、などが挙げられます。
*COPD:慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎と肺気腫の総称で、空気を押し出すことが出来ない)気管支の内側が炎症を起こし、肺胞が破壊される。肺がもろくなり、呼吸がうまく出来ない。大気汚染とタバコが原因とされています。
*心不全による咳の特徴
横になると咳が悪くなり、座ると良くなる。ピンク色の泡のような痰が出ます。息が苦しくなり、喉が詰まるような感じがします。
咳の緩和方法
咳を和らげるには、水分をこまめに取り喉を潤したり、空気の乾燥を防ぎ喉に刺激を与えないようにしましょう。
十分な睡眠を取るようにしましょう。
咳の原因となるウイルスやアレルゲンを避けるよう、マスクを着用したり、手洗いやうがいをしっかり行いましょう。口の中の雑菌は、寝ている間に増えています。咳のもととなる口内細菌が体内に侵入しやすいため就寝前の歯磨き、起きたらすぐに歯磨きかうがいをするようにしましょう。
室内にダニや花粉などのアレルゲンを増やさないよう、こまめに掃除機を使用しましょう。
冷たい空気を吸い込むことや、強い臭いを嗅ぐことも刺激になりますので、気を付けましょう。
息を鼻で吸って口から出し、大きくゆっくりと深呼吸をすることで、呼吸に必要な筋力アップに繋がります。
咳への鍼灸の施術内容
当院の鍼灸治療は「脈診」に基づいて鍼と灸を使って施術を行います。
咳を緩和するには、まずは問診・聞診をさせていただきます。舌診や脈診、経絡を使ってお身体の状態を調べて得た情報をもとに、咳のための鍼灸を施します。全身と局所の各鍼灸治療があり、症状の度合いや患者様のお時間などのご都合で必要な鍼灸治療を見極めて施術します(全身と局所では鍼灸治療にかかる時間の違いあり)。
小児向けの鍼灸治療も行いますので、お子様のご来院もご相談ください。
咳の症状と鍼灸治療
<咳:コロナ感染後に咳が出始めた>
[症状]
コロナワクチン3回接種後にコロナ感染。
以後、ちょっとした刺激で咳がよく出る様になり、味覚(うまみ)が分らなくなった。
首こり・肩こりも強く、両足が痛み、特に右足が激しく痛む。
身体がだるく、疲れやすい。
[治療]
全身的に経絡診断を行いました。加えて、味覚・咳等を調べました。
咳は咽頭あたりが過敏になっている反応でした。
1週間毎の治療を行いました。
様々な所が悪くなっておられましたので、少しでも良くなってもらえるよう、はりとお灸で治療しました。
3ヶ月ぐらい継続してはりとお灸の治療を続けていくと、あまり咳をされなくなり、食事時に美味しく感じることが出来たと喜ばれました。
足の痛みも、以前に比べれば痛みも軽くなられ、台所にも長く立てるようになり、歩ける距離も伸びたと言われました。
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[全身的に経絡診断とは]
身体の基本である、肝・心・脾・肺・腎(五臓)の表裏・陰陽・虚実・寒熱(八網)を調べます。
次に各部位の気の虚実、血の流れ、寒熱、外邪、その他を必要に合わせて調べます。
そして、味覚、咳の状態とその他、今お困りの症状を起こしている部位の状態を調べて、その部位を含め全体的にはりとお灸で施術いたします。
お越しになられるたびに、繰り返しこれらを調べ、前回と比較しながら施術していきます。
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<咳:もともと咳が出やすい>
[症状]
もともと咳が出やすい。
首こり・肩こり・腰痛がある。
身体がだるく、疲れやすい。
風邪も引きやすい。
鼻炎・アレルギーがある。
[治療]
全身的に経絡診断を行いました。加えて、咳の出る原因は喉頭あたりが気虚(気が弱った状態)があり、またアレルギー反応を起こしやすくなっているようなので、緩和するようにはりとお灸で治療しました。
1週間に一度ではりとお灸の治療をしました。
治療している最中も「コンコン」と咳がよく出ておられましたが、2ヶ月を過ぎた頃から咳をする回数が減り始めました。
風邪を引いたり、鼻炎が出るときは、時々「コンコン」と咳をされますが、ほとんど治療中に咳をされることがなくなりました。
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[全身的に経絡診断とは]
身体の基本である、肝・心・脾・肺・腎(五臓)の表裏・陰陽・虚実・寒熱(八網)を調べます。
次に各部位の気の虚実、血の流れ、寒熱、外邪、その他を必要に合わせて調べます。
そして、咳の状態とその他、今お困りの症状を起こしている部位の状態を調べて、その部位を含め全体的にはりとお灸で施術いたします。
お越しになられるたびに、繰り返しこれらを調べ、前回と比較しながら施術していきます。
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<咳:インフルエンザ後の百日咳>
[症状]
インフルエンザに感染して1ヶ月後に百日咳を患う。
咳が止まらない。
痰は無く、ひどく咳が出る時は、胸が苦しくなる。
イライラする。
身体がだるく、疲れやすい。
食欲が無い。
あらゆる検査を受けるが、異常が無い。
付き添いで来られた親御さんが「何とかして治してやりたい」と涙を流して訴えられた。
[治療]
全身的に経絡診断を行い、加えて、気管・肺等を調べました。
気管・肺には、風寒の外邪[ふうかんのがいじゃ](ウイルス)があり、炎症がある様です。
この風寒の外邪は、百日咳なのかインフルエンザウイルスなのか、また全く別物なのかが分からないですが、まずはこの風寒の外邪を除く事が先決で、続いて過敏性・弱り等を治療すると説明し、はりとお灸で治療しました。
3診・4診と治療を重ねるも、風寒の外邪は弱まるが除かれず、症状も変わらない状態です。
親御さんも不安そうに「治るのですか」等、本人やご家族の不安が更に過敏性を強くしてしまいます。
少しでも明るい状態や変化を見つける様にして、励ましながら治療を行いました。
第10診
ようやく風寒の外邪が除かれました。
本人も、咳が少なくなり楽になったと言われています。
ただ、咳が完全に取れたわけではありません。
長い間咳に苦しめられた為、過敏性が出来、気管の弱り等がまだ残っている様に思われます。
それらを強固とする為、継続して治療を行いました。
本人も、最初は落ち込んでいましたが、最近は表情も明るくなりました。
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「全身的に経絡診断とは]
身体の基本である、肝・心・脾・肺・腎(五臓)の表裏・陰陽・虚実・寒熱(八網)を調べます。
次に各部位の気の虚実、血の流れ、寒熱、外邪、その他を必要に合わせて調べます。
そして、咳とその他、今お困りの症状を起こしている部位の状態を調べて、その部位を含め全体的にはりとお灸で施術いたします。
お越しになられるたびに、繰り返しこれらを調べ、前回と比較しながら施術していきます。
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<咳:のどのゴロゴロ感で咳が出て眠れない>
[症状]
2ヶ月位前よりのどがゴロゴロし、咳が出て眠れない。
色々と治療を受けてみるが、症状に改善が無く、当院を受診。
鼻炎(副鼻腔炎)があり、1週間前のスキーで転倒して、左肩を痛める。腰痛もある。
[治療]
全身的に経絡診断を行い、加えて肺・気管を診ると、気管が弱く過敏になっている為に咳が出る様なので、その状態に応じて鍼とお灸で治療を進めました。
気管の過敏性は弱まるが完全に反応が消失していません。
花粉の時期になり多少の影響は受けましたが、過敏性も徐々に緩和されていました。
鼻炎の状態は、鼻腔と上顎洞の状態が悪く、気管と一緒に鍼治療をしました。
腰痛と左肩の痛みは、比較的早くに緩和されましたが、鼻炎と気管はまだ反応が残り、継続して鍼とお灸で治療をしました。
すべての反応が無くなったので鍼灸治療を終えました。
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「全身的に経絡診断とは]
身体の基本である、肝・心・脾・肺・腎(五臓)の表裏・陰陽・虚実・寒熱(八網)を調べます。
次に各部位の気の虚実、血の流れ、寒熱、外邪、その他を必要に合わせて調べます。
そして、肺や気管の状態とその他、今お困りの症状を起こしている部位の状態を調べて、その部位を含め全体的にはりとお灸で施術いたします。
お越しになられるたびに、繰り返しこれらを調べ、前回と比較しながら施術していきます。
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咳のまとめ
咳については、さまざまな要因があります。生活習慣、加齢、病気に由来するものなど…
咳の症状を緩和して快適な生活を取り戻すためには、早めの咳の治療を行うことが大切です。
鍼灸治療は長い歴史があり、鍼灸の施術として「不定愁訴(なんとなく体調が悪い)」にあてはまる症状などは、鍼灸治療で症状が緩和する可能性があります。
鍼灸院では、患者さんが来院されたら、まずは来院されるきっかけになった症状や部位、発症の原因や経過、その他にも色々なことをお聞きし、その後、脈診・腹診・舌診などの東洋医学的検査、さらに法的に可能な西洋医学的検査も実施するケースが多いです。それらから鍼灸の適応か否かの判断をし、病状や体質の診たてを行った後に、適切な経穴に鍼灸を施します。
大まかに言うとこのような鍼灸治療の流れがありますが、古来より日本の鍼灸治療には流派のようなものが様々にあり、それぞれの鍼灸師が学んできた流派の教えに則って東洋医学的な診たてを行います。また施術に関しても同様に、経穴の選択、鍼の刺し方・灸のすえ方など、それぞれに良いとされる鍼灸方法で行います。
(公益社団法人 日本鍼灸師会のサイトより一部を引用)
咳は鍼灸治療で症状の緩和が見込めますので、気にかかることがありましたら、お気軽に「ご予約やお問い合わせ」ください。